10月に入り肌寒い日もありますが、いかがお過ごしでしょうか。大阪法律事務所に所属しております西穂奈美と申します。
今回は休業損害についてまとめていきたい
・・・(続きはこちら) 10月に入り肌寒い日もありますが、いかがお過ごしでしょうか。大阪法律事務所に所属しております西穂奈美と申します。
今回は休業損害についてまとめていきたいと思います。
休業損害とは、交通事故による受傷のために仕事や家事労働に支障が生じ、事故がなければ得られたはずの収入・経済的利益を失ったことについての損害です。
以下では、主に3つの就労形態に分けて説明をします。
1 給与所得者
給与所得者の場合、保険会社から送られてくる休業損害証明書を勤務先に記載してもらい、事故前3カ月の給与、事故によって仕事を休んだ日等を証明します。
実務上は、事故前3カ月分の給与から日額を計算し、日額と休業日数をかける方法により休業損害を算定します。
有給休暇を使った場合にも休業損害は認められます。自由に使えるはずの有給使用権についてはその内容性質に照らすと財産的価値を認めることができるからです。一方、病気休暇の場合は、負傷又は病気のため療養する必要がある場合に限って取得できるものであり、有給休暇と同様の財産的価値があったとみることは困難なため、休業損害の対象とはなりませんので注意が必要です。
2 事業所得者
自営業などの事業取得者の場合には、前年度の確定申告所得額によって日額を計算します。固定費の支出は、事業の維持・存続のために必要やむを得ないものとして損害として認められるため、青色申告決算書や収支内訳書により固定費を計算することも重要です。
実務上、通院日数が休業日数として計算されることが多いですが、通院日以外にも休業したことが証明できるような場合には、その日数も休業日数として計算されます。
例えば業務日報を提出することも一つ考えられます。
3 家事従事者
いわゆる専業主婦(主夫)の方の場合は、現実に収入を得ていたわけではありませんが、家事労働も家族以外の者に頼めば一定の報酬の支払いをしなければならず、家事従事者も報酬相当の利益を家族のために確保しているということになるため、休業損害を請求することができます。
家事従事者の休業損害は、確定した算定方法があるわけではありません。
裁判基準の場合は厚生労働省の賃金構造基本統計調査(賃金センサス)における女性労働者の平均賃金を基礎に日額を算定します。休業日数については必ずしも明らかにするのは難しく、症状の回復とともに、徐々に家事労働ができるようになっていく面があるため、症状の推移を見て時間経過とともに収入日額の一定割合に減じた額を基に計算する方法を採用することも多くあります(事故直後は100%、2カ月目は50%、3カ月目は20%など)。
今回は休業損害の論点でもよく出てくる3つの就労形態に分けて、計算方法など簡潔に記載しました。
今後は上記就労形態以外の休業損害についても書いていこうと思います。